国民生活センターと日本消費者協会はそれぞれ、今年の消費者10大ニュースをまとめた=表。高齢者を狙った悪質リフォーム、アスベスト被害、マンション耐震データ偽造など、生活の基盤となる住空間の安全・安心が大きく揺らいだ。スキミングや盗撮などで預金口座情報が盗まれ、生保・損保の保険金不払いが発覚するなど、財産面も脅かされた。……
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◇国民生活センター
・悪質訪問販売リフォーム、高齢者らの被害深刻
・個人情報保護法全面施行
・生命保険(告知義務違反、不払い問題)に関する相談
・キャッシュカードを狙ったスキミング・盗撮事件など多発
・銀行窓口販売トラブルの増加
・多重債務相談、依然深刻
・アスベスト問題へ関心高まる
・薬効・効能をうたった健康食品相談急増
・製造物責任(PL)法施行から満10年
・架空請求相談は沈静化、消費生活相談総数は依然高水準
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◇日本消費者協会
・石綿(アスベスト)の健康被害深刻化
・高齢者に群がる悪質なリフォーム工事。取り締まり強化へ
・地球温暖化対策に京都議定書発効
・ガソリン・灯油価格高騰
・個人情報保護法の施行、流出事故も
・預貯金者保護法成立
・生保・損保で保険金の不払い発覚
・鳥インフルエンザ広がる
・米国産牛肉輸入再開へ
・マンション耐震データ偽造問題発覚
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「MSN毎日インタラクティブ 2005年12月30日」
こうした消費者からの視点には,来年度の建設一般論文として出題されそうなものが見え隠れしていますね.……もちろん京都議定書発効ではありませんよ.
年末年始休暇のあいだ,遊びも大切ですが,2005年の重大ニュースも振り返ってみておいてください.
私も明日からは休みを取ろうと思っています……ですから,1月4日までブログの更新はありません.
それではみなさん,よいお年を!
―今日のことわざ―
よく学びよく遊べ
今年1年間の全国の交通事故死者数が49年ぶりに7000人を割り込むことが確実になった。警察庁によると、27日までの全国の死者数は6787人で、昨年同期に比べ450人減。死者数は6751人だった1956年以降、7000人を上回っていた。同庁は「道交法の改正による罰則強化や取り締まりの効果」とみている。
27日までの都道府県別の死者数では、愛知県が343人(昨年同期比14人減)と最多で、埼玉318人(同15人増)など。13年連続で最も多くの死者を出していた北海道は前年同期に比べ82人減の301人となっている。2年連続で過去最悪だった発生件数、負傷者数もそれぞれ92万134件、113万8769人で減少に転じる見込みだ。「MSN毎日インタラクティブ 2005年12月28日」
それにしても,これだけ削減できたのは「道交法の改正による罰則強化や取り締まりの効果」として片付けられては困ります.私たちが関与しているインフラの改良による交通安全対策もありますし,医療の高度化や迅速化なども,ひとつの要素でしょう.
医療の迅速化については,ヘリコプターだけでなく「高速道路」も寄与していることをお忘れなく.マスコミに悪の根源のように扱われている「高速道路」にはこうしたメリットもあるのですよ.
それにしても,削減したといっても約7千人の尊い命が失われているわけです…….さらなる安全対策が必要でしょうね.今日で仕事納めの人が多いでしょうから,帰省される方はくれぐれも事故に遭わないよう,気をつけて移動してください.
―今日のことわざ―
知らしむべからず,由らしむべし
読売新聞の社説も書いていますが,過去に同類の事故があったものを繰返したら,人災だと思います.
JR西日本の福知山線で今年4月に起きた脱線転覆から1年もたたない中で、今度はJR東日本の事故である。
吹雪の中で夜を徹した救助活動が続いた。山形県のJR羽越線で起きた特急列車の脱線転覆事故は、36人が死傷する惨事となった。
国土交通省は、最上川の鉄橋上で、横風だけでなく川面から垂直に吹き上げる突然の強風も受け、バランスを崩して横転した可能性が強い、としている。
原因究明に向け、国交省の航空・鉄道事故調査委員会が調査を始め、山形県警も捜査本部を設置した。自然現象による不可抗力の事故、などといった先入観を持たず、原因の徹底究明が必要だ。……
……複数の要因が絡んで起きた可能性はある。だが、山形地方気象台も暴風雪警報を発令中だった。
沿線の気象に細心の注意を払わず、マニュアル頼みだったとすれば、刻々と変わる状況に対応できない。鉄橋上に特有の強風を計算せず、適切な指示や改善を怠った人災ということはないのか。安全運行システムや車両性能にまで踏み込んだ検証が欠かせない。
現場は緩い下りの直線で、時速120キロまでの高速運転が可能な区間だが、運転士の運転に問題がなかったかも、詳細に調べる必要がある。
鉄橋上で強風を受け、脱線転覆する事故は、過去にも起きている。
1986年には兵庫県の山陰線余部鉄橋から回送列車が転落し、橋下の水産工場の従業員ら6人が死亡した。
この事故では、旧国鉄の列車指令室の3人が業務上過失致死傷罪などで有罪判決を受けた。強風で転落するかもしれない、という危険性の認識があったのに運転を止めなかった人災とされたのだ。
各地で12月としては記録的な大雪も降るなど、異常な天候が続いている。これから年末年始に向けて、人々の移動が盛んになる季節でもある。鉄道各社は安全を総点検すべきだ。「ヨミウリ・オンライン 2005年12月27日」
話はガラッと変わりますが,25日夜にフジテレビ系で放送された全日本フィギュアスケート選手権・女子フリーの平均視聴率が,33.7%の高視聴率だったようです.
私としては,村主さんよりも荒川さんの復活が印象的でした.荒川さんは4年前の五輪代表争いで村主さんに負けたわけです.こうした辛い思いを経験した人は強いですね.今回の堂々とした演技,立派なものでした.今年度技術士試験で涙した人も,次こそリベンジしようじゃありませんか!
―今日のことわざ―
人生行路難し
このペースだと,年内(12月末)に論文添削の受付を締切るかもしれません.あまり数を多くしすぎると今の受講者に迷惑をかけることになるので…….
ですから,受講を希望される方は早めに申込みしてください.
参考までに,今の受講者に送っているスケジュールを掲載しておきます.
とにかく,5月末までにすべての論文を完成させておき,試験日まで(約2ヶ月)は,それらの暗記と並行して,変化球的な出題に対応できる力(応用力)を養う形がよいと考えています.経験論文……願書提出まで(3月末)に完成
(3例略記1例詳述含む2パターン)
専門論文……ゴールデンウィークまでに完成
(10?15題程度,想定問題数は未確定)
建設一般論文……5月末までに完成(2?3題)
建設択一問題……願書提出後(4月中旬)から試験日まで
なお,明日からの連休中,ブログの更新はしません.添削がたまっているので…….
皆さん,よいクリスマスを!
―今日のことわざ―
背に腹はかえられぬ
自民党の「犯罪から子どもを守る緊急対策本部」(本部長・逢沢一郎幹事長代理)は19日、広島、栃木両県で女児が相次いで殺害された事件を受け緊急提言をまとめた。路線バスの路線変更や停留所以外での乗り降りを認め、スクールバスとして登下校に利用させることを念頭に置いた規制緩和などが柱。……
……路線バスの活用では、運賃を無料にするため総務省に市町村への財政措置を求め、態勢が整った地域から順次実施するとの方針を示した。当面は2005年度予算の予備費で対応し、06年度予算案で関連経費の計上も検討する。
提言は、このほか来年3月までに全国すべての小学校で通学路の安全を警察と自治体が点検し、「通学安全マップ」を作成すると明記。(1)全小学校で防犯教室を開催(2)学校内外で子どもを見守るボランティアへの参加促進(3)不審者情報を警察や学校、保護者らで共有できる仕組みづくり―などを盛り込んだ。
また、中長期的な課題として、性犯罪受刑者の再犯率などを調査し、再犯防止策を検討することや、退職した警官を子どもの安全確保に活用するよう求めている。……
「産経Web 2005年12月20日」
個人的には,こうした規制緩和は歓迎です.でも,ただでさえ路線バスは赤字路線を抱えているのに,スクールバスとして流用したら,さらに一般利用者が減少することも懸念されます.誰だって停留所以外でちょこちょこ止まられたらイライラしますし,急用があればなおさらです.また,バスも交通事故に巻込まれる可能性があるなど,絶対安全というわけではありません.このあたりを国民一人ひとりに理解してもらう必要がありますね…….
―今日のことわざ―
出船あれば入船あり
財務省は15日、06年度予算案で公共事業関係費を前年度比4.4%削減する方針を固めた。三位一体の改革に伴う補助金削減で、公営住宅の家賃補助金940億円を、国から地方に移譲するため削減額が概算要求基準の同3%減を大きく上回ることになった。削減は5年連続。
「MSN毎日インタラクティブ 2005年12月16日」
こんな状況で,既存インフラの維持補修が適切にできるのでしょうか.ますます新規物件が減りますね,こりゃ.
それにしても増税路線が明確になってきました……寒い冬になりますね…….
―今日のことわざ―
流れに棹さす
【今後の社会資本整備のあり方について】
1.厳しい財政事情の中で,より効果的な社会資本整備を進めるためには,どのような分野に重点を置くべきか.
(主な指摘)
・人口減少・少子高齢化等の構造的な変化に対しては,現在のトレンドだけでなく,価値観の変化等を踏まえた先取り的な対応が必要である.
・産業・環境・観光交流等の面における近隣諸国との関係の緊密化等も踏まえ,まちや地域のつくり方を検討すべきである.
・国際競争力の強化や生産性向上の観点からは,産業基盤への投資についても,モノづくりから集客交流等の消費・サービス化や,輸出型から近隣諸国間での双方向型への構造の変化等を踏まえた重点化が必要である.
・国民の生活基盤の安全性に対する不安を払拭するためには,ソフト・ハードの連携や従来の発想を転換した施策を進める必要がある.
・都市環境の改善のため,環境の質を向上させる施策と環境への負荷を削減する施策を戦略的に進めていく必要がある.
・次期計画の計画期間(平成20?24年)は京都議定書の約束期間と重なっており,環境への十分な配慮が求められる.
・4つの重点分野相互間においても優先順位を検討する必要がある.例えば,産業・競争力の強化と環境改善は相反する部分もある.
優先順位のことが指摘されています.その前の指摘が環境への十分な配慮になっているので,環境改善>産業・競争力の強化,といった感じなのでしょう.こうした順位づけは,典型的なジレンマ問題ですね.産業・競争力を強化(技術力向上)しないと環境は改善されないでしょうから……,順位づけは難しいと私は考えています.
2.限られた財源を有効に活用し,効率的に事業を進めるためには,執行面でどのような対応が必要か.
(主な指摘)
・事業の執行に際しては,ライフサイクルコスト等を含めたコスト縮減対策を進めていく必要がある.
・交通結節点整備など,事前調整段階からより密接な連携システムの構築やそのためのインセンティヴを検討する必要がある.
・公共投資の規模が縮小する中で,入札・契約制度のあり方が重要である.
毎度の指摘ばかりですが,品確法については勉強しておきましょう.
3.維持管理・更新投資が拡大していくと見込まれる中で,適切な維持管理・更新と新たなニーズに対応した新規投資は,どのようなバランスで行っていくべきか.
(主な指摘)
・維持管理に必要となる額のマクロ推計に先立ち,地域別施設別の投資実態を把握することが重要である.
・維持管理を体系的効率的に実施することでコスト縮減を図ることが重要であり,実際の施設の使われ方や管理の実態を踏まえた改善方策を検討する必要がある.
・国が管理する施設について,どの時期に,どのような維持管理等を行うかを判断するためにも,資産台帳によるストック管理や,企業会計における資産管理の仕組みの活用も検討する必要がある.
・人口減少等を踏まえ,維持管理し更新していく施設とそうでない施設に分けて対応する必要がある.
・行政が行う維持管理行為として真に必要なものは何かを十分に精査する必要がある.
・財政制約の強まりの中で社会資本の「荒廃」を回避するためには,国・地方それぞれにどれだけの費用や体制が必要か,地方に対して国がどのような支援を行っていくのかの検討も必要である.
・維持管理に要する投資額を用意できても,実際に施設管理を行う地方に,施設の状態をチェックし,対応できる人材や体制を整える必要がある.
・地方が,維持管理に対し,適切に投資するよう誘導する仕組みを考える必要がある.
・長期にわたる施設管理の中で最適な維持管理を行う上では単年度会計の行政実務として実施することに限界があり,外部化等の方策を検討する必要がある.
はたして地方にこうした余力があるのでしょうか.それと,姉歯問題から「安全」に対して敏感になっている世論のなかで,民間に維持管理を委任できるのかな?
4.我が国の経済財政全体の中で,公共投資の規模をどのように考えるべきか.
(主な指摘)
・公共投資の水準は欧米諸国に比して高いと指摘されているが,国土の形成過程には各国独自の営みがあり自然条件も異なる.単純な比較考量は適当ではない.
・公共投資の必要性と財政制約下での実現可能性を混同しない議論が重要である.
・将来の維持管理に要する額を推計する上でも,施設整備の最終目標量と現在の財政制約下での達成可能量の見通しが必要である.
・このまま公共投資を削減し続けて大丈夫かという問いに対しては,現在整備中の施設を完成させるまでに必要な額の積上げや,その事業の完了だけでは未だ不十分である状況等を示す必要がある.
・利用者の要望すべてに国が応えることは無理がある.国の財政制約や三位一体改革等に鑑み,国と地方の役割の整理やハードの施設での対応か規制誘導措置等によるソフトな対応か等を議論する必要がある.
・多様な価値観を持った社会においては,経済的効率性の観点のみならず公平性も踏まえた効果を勘案することがますます重要になっている.
・国内の有効なストック形成のため,民間投資の誘導を図ることが重要である.
・環境や安全に係るストックの効果は,可能な限り貨幣換算してみる努力が必要である.
非常に良い指摘が並んでいるのだが,いかんせん公衆に情報が届いていない.こうした会議室の議論より,マスメディアへ積極的に出て,公衆に向け主張してほしいものですね.
参考ホームページ:社会資本整備審議会・交通政策審議会計画部会第3回基本問題小委員会
―今日のことわざ―
陸に上がった河童
口頭試験の準備をしている間に,添削しなければならない論文が増えました……,しばらくバタバタしそうですね.
とにかく私事が片付いたので,そろそろ添削に本腰を入れていこうと考えています.今週中には専門の想定問題その2を送ります.また,鬼門になっている建設一般の択一対策について,年内にはなんらかの方向性を提示できれば,と思っています.
受講者の皆さんはそのつもりで……要はのんびりする暇はないということです……がはは.
―今日のことわざ―
人の踊る時は踊れ
試験場での注意事項
・1時間前には会場へ行っておくこと.
控室の空気は異様だが気にするな!自分は受かると信じろ!
・試験室に入ったら,まず「△△番の○○です.□□県から来ました.よろしくお願いします.」と言うこと.
・試験官の目をよく見ること.
鼻の下を見ればちょうど良い視線になるはずだ!
・質問を受けたら,あわてず,一呼吸おいて,何を話すか決めてから話すこと.
とにかく,あわてるな!
・余計なことは答えないこと.
ボロが出るだけだ!
・絶対,口論しないこと.
その日だけは試験官のことを神様と思え!
・誘導質問に乗ってムキにならないこと.
勘違いするな!試験官は仏様だぞ.
・退室するときにも,「ありがとうございました.よろしくお願いします.」を忘れるな.
立鳥跡を濁さずだ!
わからない質問に対しては
「すみませんが,その質問はわかりません.家に帰ってから調べます.」
「勉強不足で申し訳ありません.」
「○○という観点から申しますと……だと思います.」
なんでも分かる人間なんて存在しない!わからない質問は素直に手を挙げて降参しろ!
それでは,吉報を待つ.
―今日のことわざ―
念力岩をも通す